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中性脂肪を下げるためには分解された時に運動して燃焼させる

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生命を守るために備わったシステムが逆の働きをしている

ヒトは脂肪を貯めることに関してはとても優秀です。これまでの長い歴史の中でいつもヒトは飢えと闘ってきました。そのため、飢餓の防御策として余ったエネルギーを脂肪の形で蓄積できるようし、生命を維持してきました。

現代は食物が安定的に摂れるようになったことでエネルギーを過剰摂取し、また運動する機会が少なくなったことで蓄積された脂肪を使うことなくどんどん蓄積し肥満となりました。

肥満によっておこる生活習慣病は現代においてはヒトの生命を脅かす最大の敵になりました。以前に飢餓から生命を守るためのシステムは現代においては真逆の働きをしているとは皮肉なものです。

中性脂肪を使うために

脂肪は常温で固体となる油脂のことでその成分の多くは中性脂肪です。中性脂肪はグリセロールに脂肪酸が3つくっついたものです。脂肪を減らして体重を減らしていくにはこの中性脂肪を分解し燃焼するしかありません。

中性脂肪を分解したときにできる脂肪酸には様々な種類があります。飽和脂肪酸のひとつであり抗酸化作用をもつステアリン酸不飽和脂肪酸オレイン酸は動脈硬化、高血圧などの生活習慣病を予防・改善する効果がありオリーブオイルやキャノーラ油に多く含まれます。

脳や神経組織の機能を高めるドコサヘキサミン酸(DHA)は多価不飽和脂肪酸の一種で青魚に多く含まれています。

 

中性脂肪はHSLで分解できる

中性脂肪を分解する働きをもつのがHSL(ホルモン感受性リパーゼ)です。HSLの働きで中性脂肪は脂肪酸とグリセロールに分解されます。

脂肪酸は血液になじむようにたんぱく質アルブミンと結合して遊離脂肪酸となります。遊離脂肪酸は脳以外の体内の細胞でエネルギーとして使われます。一方のグリセロールは肝臓で糖質に変化し細胞のエネルギーとして使用されます。

分解してもエネルギーとして燃焼されなければ、また中性脂肪に逆戻りし体内に蓄積されます。脂肪酸は筋肉を動かすことで燃焼します。中性脂肪をHSLで分解して筋肉で燃焼させることで体内の余分な脂肪を落とすことができます。

 

効率よく分解し燃焼させるためにすること

 脂肪を分解するにはHSLの働きを活性化しなければいけません。HSLを活性化させるには2つのことを行います。

空腹状態をつくる

身近なところに食べ物やお菓子があるとどうしても手が出てしまい空腹感を覚えることが少なくなりました。しかしHSLを活性化させるには空腹状態を作り出すことです。

ヒトは空腹になるとグレカゴンというホルモンがでます。グレカゴンは血糖値を上げる働きをしHSLの働きを助けます。グレカゴンはインスリンとは逆の働きをします。糖が過剰な食事をするとインスリンが大量に出て中性脂肪の分解の妨げになります。

運動をする

運動をすると気分が高鳴り高揚感を感じます。これは運動中に出るアドレナリンの働きのためです。アドレナリンは副腎髄質から分泌されます。また下垂体からは成長ホルモンが分泌されます。この二つはHSLの働きを活発にし中性脂肪の分解を促進します。

 

分解されたらちょこちょこ運動で脂肪を燃焼する

HSLなどの働きで中性脂肪を分解したらすぐに運動して脂肪を燃焼させることが肝心です。筋トレなどの無酸素運動やランニングや水泳などの有酸素運動で脂肪を燃焼しましょう。運動をすることで中性脂肪の分解が進み燃焼しやすい状況になります。好循環のスパイラルがおきれば余分な脂肪はどんどん減っていくでしょう。

そうなっていくのがベストですがなかなかそのタイミングで運動できません。ですがそれほど本格的にダイエット用の運動をしなくても中性脂肪が分解されたときにぶらぶら歩いたり軽い筋トレを行うだけでもかなり変わってきます。分解された脂肪酸が再び合成され中性脂肪に戻らないようにすこしでも燃焼させておくことが重要です。

 

代謝ガイドブック (初歩からのメディカル)

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